このような方は大腸カメラを受けましょう
- お腹が痛い
- 下痢または便秘になりやすい
- 便秘と下痢を交互に繰り返す
- 排便の回数が多くなった
- 便が残っているような感覚があり、すっきりしない
- お腹が張りやすい
- 便が細い
- お腹にしこりがある
- ダイエットしていないのに、急に体重が減ってきた
- 便に血や粘液が混じっている
- 消化器系がんにかかった血縁者がいる
- 飲酒量が多い、喫煙の習慣がある(過去に喫煙していた方も含む)
- 健診などで、貧血だと指摘された
初期の大腸がんや胃がん、食道がんなどは、目立った自覚症状が現れません。しかしその分、早期発見・治療を行えば、完治できる可能性は高いとされています。
そのため目立った症状がない段階から、定期的な検査をお勧めしています。ただし、自覚症状や検査異常がみられない方が検査を受ける場合は、保険診療ではなく自費診療の扱いとなります。予めご了承ください。
大腸内視鏡(大腸カメラ)検査の重要性
大腸がんは、がんの中で罹患率1位、死亡率2位(女性の死亡率は1位)という位置付けにあり、大腸がんで死亡する患者さんは毎年約5万人いらっしゃいます。これは先進国の中でも非常に高く、かつて大腸がん大国であったアメリカ(人口は日本の約3倍)よりも死亡者数が多いことが問題提起されています。
ここで生まれるアメリカと日本の差の要因は、「大腸内視鏡検査の検診受診率」にあります。
アメリカでは、50歳を過ぎた国民に対して無料で大腸カメラ検査を提供しており、大腸がん検査受診率は約70%に及びます。一方、日本の受診率は約20%とかなり低く、便潜血検査が陽性の場合も精査を受けない人が約40%もいるため、死亡率に直結していると考えられます。
大腸がんは早期発見ができれば、早期治療で根治が可能です。
便潜血検査が陽性だった方は、必ず大腸内視鏡による精査を行いましょう。便潜血検査が陰性だったとしても、大腸がんや大腸ポリープがないとは言い切れませんので、受診をお勧め致します。
また、がんの罹患リスクが増加し始める40歳以前から定期的に検査を受けて頂くことで、進行がんの予防に繋がります。
参考:日本大腸肛門病学会(https://www.coloproctology.gr.jp/modules/citizen/index.php?content_id=9 )
当院で行う大腸内視鏡検査の特徴
静脈内鎮静法を活用した苦痛の少ない検査
点滴を使った静脈麻酔を使用するので、眠っているような状態で検査を受けていただくことが可能です。
検査時の痛みや苦痛を我慢せずに済むため、筋肉もリラックスします。その結果、検査もスムーズに進めることができます。
オーダーメイド感覚で一人ひとりに寄り添った検査
年齢・性別・体型のほか大腸の長さや形状に配慮し、少しでも患者様の負担にならないような検査を行います。
腸の壁に当てない、滑るように進んでいく「軸保持短縮法」と、検査後のお腹の張りが少ない「炭酸ガス送気法」を合わせた検査により、負担を軽減することが可能です。
個室対応で安心な検査体制
周囲を気にせず検査に専念できるよう、西宮市のさかお内科・消化器内科クリニックでは完全個室対応で検査を行っています。時間帯も他の患者様と重ならないよう配慮しております。
専用ロッカーと更衣室、内視鏡検査専用トイレをご用意していますので、安心してご受診ください。
高精細な内視鏡システム「LASEREO 7000」導入
当院では、富士フイルムメディカル社の『LASEREO 7000システム』を導入しています。
波長の異なる2種類のレーザーを光源に用いて発行強度比を切り替えることで、ごく微細な病変も観察することが可能です。
BLI機能(Blue LASER Imaging)
BLIレーザーの出力を高めて画像処理を行うことで、中景・遠景を観察する際に十分な明るさが得られます。粘膜表層の血管やその構造をシャープに、高い視認性をもって観察することができます。
LCI機能(Linked Color Imaging)
赤みのある箇所はより赤く、白っぽい箇所はより白く強調して画像処理・表示することができるため、粘膜の微かな炎症の診断が可能です。
がんが発生する粘膜付近には血管が集まりやすくなるため、毛細血管の状態を観察し、がんの兆候を発見しやすくなります。
FICE
画像処理を調整し、血管強調画像を再現することで、がん及びその他病変の境界が明確に表示されます。微細な色の変化・病変の広がりなどを正確に診断でき、見逃し防止にも役立ちます。
検査中の大腸ポリープ切除手術が可能
大腸がんの多くは、前がん病変の大腸ポリープから移行したものです。そのため大腸ポリープのうちに切除し、大腸がんを予防する必要があります。
西宮市のさかお内科・消化器内科クリニックでは、大腸カメラ検査中に見つかった大腸ポリープをその場で切除する日帰り手術に対応しています。
ポリープのタイプや形、サイズ、構造、血管の状態などを見てから、切除するかどうか、そして切除方法を決めていきます。入院の必要はなく、そのままご自宅へ帰っていただけます。
【大腸ポリープ切除について詳しく】
希望がある場合、胃カメラと同日検査が可能
推奨はしておりませんが、ご希望がある場合は胃カメラ検査と大腸カメラ検査を一日で行うことも可能です。両方の検査を受けるのに二日分のスケジュールを作る必要がなく、前日の食事制限も一度で済むため、準備の負担も軽減できます。ただし医師が判断してから同日検査を行う必要がありますので、ご希望の方はご相談ください。
土曜日でも受けられる診療体制
西宮市のさかお内科・消化器内科クリニックでは、土曜日でも検査が可能です。お仕事でお忙しいなど、平日の受診が難しい方にも積極的に検査を受けて頂けるよう、体制を整えております。
大腸カメラ検査でわかる病気
クローン病(炎症性腸疾患)
クローン病とは、炎症が生じて腸に潰瘍ができる疾患です。腸だけでなく、口から食道・胃・小腸・大腸・肛門と消化管全域に潰瘍が生じるケースも多々あります。
下痢や腹痛などの症状は起こりますが、出血はあまり見られません。発症原因はいまだに解明されていませんが、近年では、効果の高い薬や治療法が出てきています。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍が生じる疾患です。下血などの症状がみられます。炎症なので、肺炎や気管支炎と同様、薬物療法を行う必要があります。
大腸憩室症
「大腸憩室」とは、大腸粘膜の一部が袋状になって外側に飛び出たものです。これがたくさんできた状態を「大腸憩室症」といいます。
全人口の10%程度に発症する疾患で、高齢者がかかりやすい傾向があります。
発症しても目立った症状が現れず、重症化すると軟便や便秘、下痢、腹部の張り、腹痛などが起こります。
食生活の欧米化によって肉の摂取量が増え、食物繊維の摂取量が減ったことから、日本での患者数が増えたのではないかと考えられています。
また、加齢による腸管壁の衰えなども、発症と関係しているのではないかと言われています。
さらに、憩室がある方はポリープも発生しやすい傾向があります。
虚血性腸炎
大腸への血流が滞り、必要な酸素や栄養分が運ばれなくなったことで、炎症や潰瘍が発生する疾患です。主な症状としては、突然の腹痛や出血などが挙げられます。
動脈硬化と便秘などが重なることで、発症するのではないかと考えられています。高齢者に多い傾向があるのですが、便秘が重い若い女性でも発症するケースがあります。
大腸ポリープ
大腸がんになる前段階の、良性の状態のことを指します。放っておくと少しずつ大きくなり、がんへ移行していくので、ポリープの段階から切除する必要があります。 発症しても目立った症状は現れません。発見するには、大腸カメラ検査が必要です。大腸カメラ検査中でも切除できますので、定期的に検査を受けて予防しましょう。
大腸がん
大腸がんは進行しても、症状が現れない疾患です。早期発見するには、大腸カメラ検査が必須です。早期に発見できれば内視鏡で切除できますし、完治もできます。
進行がんになると、リンパ節や他の臓器へ転移する可能性があります。そこまで進行すると、入院しながらの手術や、抗がん剤治療など、心身に大きな負担がかかる治療が必要になります。最悪の場合、手遅れになることもあります。
便潜血検査では、がんを見つけることはできないため、定期的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。
リスクが高くなる40歳になりましたら、ぜひ大腸カメラ検査を受けてください。
大腸カメラ検査の流れ
1ご予約
普段飲んでいるお薬がありましたら、予約時に必ずお伝えください。特に糖尿病用の薬やインスリン、抗血栓薬などを服用している場合は、検査前日・当日に休薬していただくこともあります。
※西宮市のさかお内科・消化器内科クリニックの大腸カメラ検査は、月・火・木・土曜日の午後(11:00~,12:30~)にて行います。
※肛門・直腸を含むおしりの診察が必要な場合は、肛門鏡・S字結腸鏡を用いて金曜日および平日(適宜)行います。おしりの診察の場合は、前処置や絶食の必要性はありません。
2検査前日
- コーヒーやお酒、牛乳は飲まないでください。
- 三食とも、消化の良いものにしてください。西宮市のさかお内科・消化器内科クリニックでは、検査色をご用意することも可能ですので、ご希望の方はご相談ください。
- 糖分が含まれていない透明な飲み物(水、薄めのお茶など)は、飲んでいただいても問題ありません。
- 夕食は前日の21時までに済ませてください。就寝前になりましたら、下剤(錠剤)を飲んでください。
3当日朝
- 朝食は抜いてください。水や薄いお茶は飲んでも大丈夫です。
- 「服薬していい」と医師に言われた薬がある場合は、検査の3時間前までに服用してください。
- 鎮静剤を用いた検査を受けていただく際は、車やバイク、自転車の運転を避けてください。電車・バスなどの公共交通機関、もしくご家族などによる送迎で、ご来院・ご帰宅ください。
院内下剤の場合
院内で下剤を飲む方は、検査の4時間前までにお越しください。
自宅下剤の場合
ご自宅で下剤を飲む方は、検査の4時間前から服用してください。便意が落ち着いてから、検査30分前までにお越しください。
4大腸内視鏡検査
検査着にお着替えした後は、検査室へご案内します。
検査は15~30分で終わります。なお、ポリープ切除や組織採取を行った場合は、それよりお時間をいただく可能性があります。
5リカバリー
検査後は30分~1時間ほど、リカバリールームで安静にしてお過ごしください。
安静後は、更衣室でお着替えしていただきます。
6結果
結果について説明していきます。ご自分での保存用と、ご家族へのご説明用に、写真を印刷してお渡しすることも可能です。
よくあるご質問
大腸カメラ検査はどれくらい時間がかかりますか?
観察のみの場合は、15~20分で終わります。ただし、腸がきれいになっていない場合や、癒着がひどい場合、複数のポリープを切除しなければならない場合は、それよりもさらにお時間をいただいています。
下剤服用は、院内と自宅どちらがいいでしょうか?
それぞれメリットもデメリットもあるため、一概には言えません。ご自身に合った方法をお選びください。
検査日の服は指定がありますか?
検査着に着替えていただきますので、着替えやすい服装でお越しいただくことをお勧めします。
検査後に注意することはありますか?
観察のみ行った場合は、特に注意することはありません。 ポリープを切除した場合は、飲酒やお風呂、運動などに制限がかかります。大きいポリープを切除した場合は、食事の制限も行っていただきます。
大腸内視鏡検査はどれくらいの頻度で受ければよいですか?
過去に大腸ポリープを切除された方は1年後に、大腸ポリープがみられなかった方は3~4年後に一度の頻度で受けましょう。
生理中でも検査は受けられますか?
可能です。体調が心配な方は、大腸カメラ予約日時の変更を行うことも可能ですので、お気軽に当院へご連絡ください。
妊娠中・授乳中でも検査は受けられますか?
妊娠中の検査には対応しておりませんが、授乳中の場合は検査が可能です。