胃炎の症状
急性胃炎の症状
- 胃の痛み
- みぞおち辺りの痛み
- 腹部の不快感
- 腹部の張り感
- 胸焼け
- 吐き気
- 下血
慢性胃炎の症状
- 胃の痛み
- 胸焼け
- 胃が重く感じる
- 胃のむかつき
- 吐き気
- 腹部の張り
- 食欲不振
受診を急ぐ症状
このような症状がある場合は、受診をい急ぎください。
- 胃痛だけでなく、発熱もある
- 市販薬を服用し始めてから2週間ほど経過しても、症状が治らない
- 胃の痛みが1か月ほど続いていて治らない
- 吐血や下血、黒い便を伴う胃痛
- 嘔吐を何度も繰り返す胃痛
- 突然、激しい胃痛に襲われた
胃炎の種類
急性胃炎
主に「食べすぎ」「飲みすぎ」「刺激物の摂取」が起因して、胃粘膜が急激に炎症を起こしている状態です。胃痛などの症状は2~3日続く程度で、すぐに回復します。
慢性胃炎
胃炎が長引き、慢性化した状態です。発症原因の80%が、ピロリ菌によるものです。
主な症状はとしては、胃もたれ・胃の痛み、胸やけ、吐き気などが挙げられます。
放置すると胃潰瘍へ移行する可能性があります。また胃粘膜が弱っている状態になるため、治療に時間がかかり、すぐに回復するのは難しい傾向にあります。
萎縮性胃炎
慢性胃炎が長引いたことで胃の粘膜が薄くなり、脆弱になった状態です。
放置し続けると回復するまで時間がかかるようになり、最悪の場合、胃がんへ移行してしまう恐れがあります。
神経性胃炎
胃酸の過剰分泌によって発症する胃炎です。主な症状としては、胃の痛みや胸焼け、喉のつかえ感などが挙げられます。
胃炎になる原因はストレス?食事?
飲酒・喫煙・暴飲暴食・刺激物の摂取
食べすぎや飲みすぎ、喫煙、飲酒などは、胃液の過剰分泌の要因にもなるため、急性胃炎を引き起こしやすくします。
過度なストレス
過度なストレスで自律神経が乱れると、急性胃炎や神経性胃炎を引き起こします。
ピロリ菌感染
ピロリ菌が胃の中に棲みつくと胃粘膜が傷つき、慢性胃炎を引き起こしやすくなります。また、慢性胃炎が長引くと、萎縮性胃炎へ移行してしまいます。
慢性胃炎が続くと「胃がん」に進行
ピロリ菌感染などによって慢性胃炎になり、この状態を放置し続けると、胃粘膜が委縮して「萎縮性胃炎」を発症するようになります。
そこから胃粘膜の萎縮が更にひどくなると、大腸や小腸の粘膜と似た上皮「腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)」が形成されてしまいます。
この腸上皮化生は、一部ががん化することで、胃がんになると言われています。
そのため慢性胃炎(萎縮性胃炎)は、「前がん病変」だと考えられています。胃がんを防ぐためには、早期発見・治療が極めて重要です。
胃炎の検査方法
問診
まずは問診を行います。問診では、現在の症状をはじめ、服用されているお薬の有無、食べたもの、飲んだものなどについて、細かくお伺いします。
胃カメラ検査
慢性胃炎が疑われる場合は、胃カメラ検査を受けていただき、胃粘膜の状態を直接調べます。
胃粘膜の萎縮が起こっている場合は、胃がんのリスクが高い状態であると判断できるため、精密に検査を行い、早期治療へ繋げていきます。
当院では、日本消化器内視鏡学会専門医である院長が胃カメラ検査を担当しています。高いスキルと豊富な経験を活かし、的確な診断と適切な治療を提供して参ります。
ピロリ菌検査
ヘリコバクターピロリ菌が原因となっている可能性がある場合、ピロリ菌検査を行います。
胃カメラ検査中に併せて行うことができます。
胃炎の治療方法
急性胃炎の場合
ヘリコバクター・ピロリ菌感染や薬の副作用など、原因がはっきり分かった場合は、それぞれに合った方法で治していきます。(除菌治療の実施、服用の中断・変更、服用量の変更など)。
また、胃に負担をかけないよう、食事内容を改善したり、食事を抜いたりすることも有効です。その間は脱水状態にならないよう、白湯などで水分をこまめに補給していきましょう。
回復するまでの間は、香辛料やコーヒー、お酒などといった、胃粘膜への刺激が強いもの、胃酸の分泌を促すものは避けてください。
安静にして過ごしていれば、2~3日で回復します。
慢性胃炎の場合
ヘリコバクターピロリ菌の感染によって発症している場合は、除菌治療を選択します。また必要に応じて、胃酸の分泌を抑制させる薬や、胃の機能を元に戻す薬なども処方していきます。
急性胃炎と同様、胃粘膜に負担のかけない食事や生活習慣を心がけていただきます。
神経性胃炎の場合
胃腸に優しい食事を心がけましょう。また、適度な運動を行ったり生活リズムを整えたりすることも、神経性胃炎の改善に有効とされています。
薬物療法では主に、胃酸分泌を抑える薬や、抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬などを処方していきます。